帝国会議の公共圏
というわけで、必要なので読んだ。
- Gabriele Haug-Moritz, "Der Wolfenbütteler Krieg des Schmalkaldischen Bundes (1542): Die Öffentlischkeit des Reichstags und die Öffentlichkeiten des Reichs" in: M. Lanzinner / A. Strohmeyer (hg.), Der Reichstag 1486-1613: Kommunikation - Wahrnehmung - Öffentlichkeiten, Vandenhoeck & Ruprecht, München 2006, S.261-280.
シュマルカルデン同盟によるヴォルフェンビュッテル侵攻に際する政治的プロパガンダの戦略と帝国会議の公共圏について。印刷メディアが議論や合意の形成にどのような役割を果たしたかということなのだけれども、背景に関する知識不足のため、議論自体をきちんと検証できないのです。檄文のビラの頒布状況について、1540年のデータをもとに、問題の1542年もそうだったであろうと推測し、そこからさらに帝国会議が制度的な統一性を持つ以前に、メディアによる公共圏という一体性を形成していたと導くのは、推論としては妥当だろうけれど、それほど得心がいくわけでもない。(10月29日記)