Wikipediaを充実させるためのWAQWAQプロジェクト

一ヶ月くらい前に書きかけたまま、アップしていなかったものですが。

ノーベル賞受賞者発表を受け、id:next49 さんの発案で、

12月10日のノーベル賞授賞式までのおよそ2ヶ月間に、研究者、専門家そして、その卵たちが学んだ専門知識をwikipedia日本語版を充実させることによって、社会還元する企画
が開催されています。

アカデミックな項目を

  1. 記事を新規に執筆・翻訳する
  2. 既存の記事に加筆・修正する
  3. 推奨文献や写真を付け加える

という方法で充実させようというものです。コンテスト(エントリーは11月29日まで)で優秀とされた記事には、副賞としてAmazonのギフト券が贈られるとのこと。副賞が出ることには賛否両論あるかも知れませんが、個人的には、これはやりがいも出るだろうし、嬉しいことだと思います。

詳細は、@ウィキの

にありますので、そちらをご覧下さい。

ウィキペディア内のプロジェクトページは

元のブログエントリーは

です。

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Watanabe, Holzersparungskunst

著者の方*1から以下の抜き刷りを戴きました。

これまで法制史と技術史において研究されてきた、「16世紀後半に活発に行われた薪節約術の発明と皇帝による特権授与」というテーマを、気候史研究と都市社会史研究の視角から捉え直そうとする論考とのこと。

Festschrift

以下の記念論集に収められている論文を2本、それぞれ著者の方から御恵贈戴きました。

  • A. Rutz/T. Wulf (Hg.), O felix Agrippina nobilis Romanorum Colonia: Festschrift für Manfred Groten, Köln 2009.
    • Jochen Hermel, Von der Main- zur Rheinmetropole: Bürgerliche Mobilität und Migration im 15. und beginnenden 16. Jahrhundert am Beispiel der Reichsstädte Köln und Frankfurt am Main, S. 95-111.
    • Yuki Ikari, Tendenzen der Aufklärung in Köln: Überlegungen zum Toleranzstreit 1787-1789, S. 183-206.

前者にはデータ提供をしたことで、註108に謝辞を入れて貰っています。ありがたや。

Ikari, Wallfahrtswesen in Koeln

  1. Yuki Ikari, Wallfahrtswesen in Köln vom Spätmittelalter bis zur Aufklärung, Köln 2009.
  2. 猪刈由紀「中世都市ケルンと巡礼制度」『比較都市史研究』28(2) [2009], pp.39-54.
  3. 猪刈由紀「ケルン市歴史文書館:倒壊から一年半−これからの可能性を中心に」『現代史研究』56 [2010], pp.71-79.

1は2006年にボン大学に提出された博士論文。中世末から啓蒙期に至るまでの巡礼について、さまざまな要素の変化と存続を分析しています。3は、文書館倒壊から一年半後の状況整理と展望。多少関わったので註1に謝辞を入れて貰っています。ありがたや。

Sato, Gefaengnisrefom in der Weimarer Repblik

  1. 佐藤公紀『ヴァイマル共和国における監獄改革・犯罪生物学・釈放者扶助』(東京大学博士論文、2009年度提出)

2009年度東京大学総合文化研究科に提出された博士論文です。草稿の段階でも拝読し、例によって例の如く、勝手気ままなコメントをつけさせて戴きましたが、自分の強み・主張と弱点・問題点をきちんと整理・把握し、批判や議論に開かれた状態を保とうとする態度は、私も見習いたいものです。

Nagamoto, Reformation und Taeufer in Muenster

  1. 永本哲也『1525-1534年ミュンスター宗教改革・再洗礼派運動:都市社会運動の総体把握の試み』(東北大学博士論文+要旨、2010年度提出)
  2. 永本哲也「ミュンスター宗教改革運動における市参事会の教会政策:1525-34年市内外諸勢力との交渉分析を通じて」『歴史学研究』876 [2011], pp. 20-36, 57.

東北大学文学研究科に提出された博士論文とそこに関わる投稿論文を戴いています。「宗教改革期における都市社会運動の全体像の把握を試みる」ため、「市民や都市ゲマインデだけではなく、市参事会や貧民や女性など都市のあらゆる階層の住民が、それぞれの利害や目的で運動に参加していたことを前提として分析を行う(要旨 p.1)」もの。2については、著者ご自身による紹介もあります。

Oba, Bayerische Landtage

  1. 大場はるか「16世紀領邦バイエルンにおける領邦議会と『諸身分の家』:文書管理と機密保持を中心に」『西洋史学論集(九州大学)』45 (2007), 21-41.
  2. Haruka Oba, Wasserburg und die bayerischen Landtage im späten 16. Jahrhundert, in: Jahrbuch des Heimatsvereins Wasserburg am Inn und Umgebung 2011/12 (Im Druck).

どちらもミュンヘン大学に提出された博士論文における議論の一部分でもあるようです。1は、領邦内における文書管理について。文書保管所の役割の分析は自分の研究にとってもいろいろと示唆を与えてくれそう。2は提出済み原稿を戴きました。PDFファイルで送付可能だそうなので、ご関心の向きは著者に直接連絡すると良いでしょう。