11月新刊その2

東洋書林創文社から。

東洋書林

  • ウンベルト・エーコ編著(植松靖夫監訳/川野美也子訳)『美の歴史
    <美>とはなにか? 絶対かつ完璧な<美>は存在するのか? <真>や<善>、<聖>との関係は? 古代ギリシア・ローマ時代から現代まで、絵画・彫刻・音楽・文学・哲学・数学・天文学・神学、そして現代のポップアートにいたるあらゆる知的遺産を渉猟し、西洋人の<美>の観念の変遷を考察。美しい図版とともに現代の“知の巨人”エーコによって導かれる、めくるめく陶酔の世界!

創文社

  • H・トーマス(三佐川亮宏/山田欣吾訳)『中世の「ドイツ」:カール大帝からルターまで
    ドイツ人の名がアルプス以南に発する他称であって、それを彼らは、オットー大帝以降の長い接触過程の中で受容した、という事実が明らかになっていく。「ドイツ王国」ではなく、「ローマ帝国」に固執したドイツ人の政治意識、それに対応する彼らの歴史観、彼らのナショナルな意識の形成とアイデンティティ問題などが、概念史の手法で、鋭く史料に即して考究される。
  • 根占献一『共和国のプラトン的世界:イタリア・ルネサンス研究(続)』
    古代のレトリック、弁論の伝統を受け継ぐ中世では、弁論術が書簡作成に応用された。ところが、キケロや小プリニウスの書簡発見は、新思想・新感情を織り込む自由な自己表現をルネサンス書簡に与えることになる。フィチーノヒューマニズムの先達、ぺトラルカ以来の書簡文学の系譜に属しながら、プラトン主義を基盤に形而上学的内容に富む、夥しい数の書簡を認めた。人間関係を教えるこれらの書簡から、ルネサンスの思想的特質を読み解く。
  • 鈴木佳秀『ヘブライズム法思想の源流』
    唯一なる神ヤハウェの民となる意味と精神、申命記の思想的枠組は即ちヘブライズムの源流である。法の語り手と聞き手、モーセ的伝統、王国の司法行政の特質という課題を論じ、古代イスラエル社会における法と宗教の関わり及び文化史的意義を解明する画期作。