2005-12-27 年末ミステリ(1) roman 折原一『倒錯のロンド』講談社文庫 1992年 解決部分がおよそ人の会話とは思えないほどに「説明そのもの」であることに目を瞑れば、全体として良質。 冒頭、新人賞の締め切りまでの執筆計画を立てながらも、なかなか書き出せない「主人公」が、どんどん予定を変更し、(自分に言い訳をしながら)執筆開始日を先延ばしにしていく場面は、論文を先延ばしにしている自分を見ているようで、チクリチクリと差し込まれる思いがしてしまった…。(1月6日記)