年末ミステリ(2)

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本書の「トリック」の是非について、福井晴敏は本文庫の解説で「ファンタジーの現実への逆襲」と肯定的に評価している。しかし、犯罪(主として殺人)をエンターテイメントとして扱うミステリ自体がそもそも「ファンタジー」なのであって、だからこそ、逆説的に現実との接点であるトリックのフェアネスが重視されるのだと思う。この「トリック」で「ファンタジー」でよいなら、サム・ライミアレ(ネタバレの可能性アリ)の方が面白いんじゃなかろうか。(1月6日記)