Marter - Martyrium

拷問の倫理的・審美的次元をテーマにした連続講演会の第2回。今回だけもぐりこんでみた。

  • 「拷問と魔女術訴訟:法的制度から不法行為へ」

講演者は先月の学会にもいらっしゃっていた方。中・近世において正当な手続きだった拷問が、いかにして不法とされるようになっていったのか。講演会の性格上、やや概説的なレベルでの話だったが、パワポで要点と図版を示しつつ進められたので*1、途中ちょっとぼんやりしてしまったわりには、なんとか話についていけたと思う。

拷問の概念、歴史的形態について簡単に触れられた後、まず(1)「合法な拷問」として、バンベルゲンシスやカロリナなどからの図像を使って、歴史的には拷問が正当な尋問手続きとして認められていたことが説明された。そして、その手続きに関するさまざまな規定と、拷問の合法性についての根拠にどのようなものがあったのかという点がまとめられた。続いて、(2)「不法な拷問」として、魔女術訴訟において拷問が無制限に拡大していったこと、そして次第に拷問強要の不法性が問題となっていくことが述べられた。時間の関係からか、最後の方はかなり端折って話が進められたような感じがしたのが残念。(11月2日記)

*1:ただし、この国にありがちな網羅型の情報提示なので、一枚ごとに入る文字数が多すぎ。