西ヨーロッパの中世における君侯の遺言

Herrscher- und Fürstentestamente im westeuropäischen Mittelalter
http://www.uni-saarland.de/fak3/kasten/

  • Ort:Uni Saarland
  • Datum:15. - 18. Feb. 2006

806年のカール大帝の「王国分割令(Divisio regnorum)」発布から1200年を記念して、ザールラント大学のカステンが中心となり、3日間にわたるシンポジウムが開かれるとのこと。
プログラムを見ると、フランク時代からその後の英独仏各国と教会についてだけでなく、イタリアやビザンツトリポリ伯国マムルーク朝といった地中海地域との比較も視野に入れた、かなりの規模のものになるようだ。また、フリートが記念講演をする。

開会

B. Kasten
D. Klippel「相続権の私化:中・近世の政治理論における支配権・財産・相続権」

法と実践の中の古代

T. Chiusi「相続・財産権の文脈におけるローマの君主遺言」
K. M. Girardet「古代の政治的君主遺言」

フランク王国

R. Schieffer「カロリング朝の終意処分の有効性」
S. Kaschke「伝統と適合:Divisio regnorum とフランクの支配相続」
M. Tischler「手稿伝承と歴史的反響の間の Divisio regnorum 」
D. Hägermann「817年の Divisio imperii と831年の Divisio regni 」
M. Becher「父・子・孫:フランク王国における支配相続者のための代位相続権と持分添加権」
M. Chazan「世界年代記におけるカール大帝の遺言」

神聖ローマ帝国

A. Angenendt「君主の死に際しての奉献誦(Requiems-offertorium)」
M. Thumser「いわゆる皇帝ハインリヒ六世遺言状」
K. v. Eickels「後期シュタウフェン朝の遺言」
H. Thomas「ベーメンルクセンブルク朝のヨハンとカール四世の遺言」

記念講演

J. Fried「806年の王国分割」

フランス

E. A. R. Brown「フィリップ端麗王の遺言と遺言補足書:執行人のジレンマ」
J. Oberste「トゥールーズ伯レーモン六世の遺言」
M. Gaude-Ferragu「ブルゴーニュのフィリップ善良公の遺言」

イングランド

J. Gillingham「アングロ=ノルマン朝の王たち遺言」
J. Rogge「ランカスター朝最後の王たちのヘンリー四世、五世、六世の遺言」

遺言状と教会

J. Semmler「フランクの司教の遺言について」
A. Fößel「中世後期の王妃の魂の救済のための遺贈」
S. Weiß「ある教皇の相続財産:クレメンス五世とヨハネ二十二世」
J. Sarnowsky「騎士修道会におけるマイスターの遺贈」

地中海地域との比較

S. H. Brunsch「中世初期イタリアにおける公と伯の終意処分」
M. Bertram「ボローニャの遺言実践におけるエンゾ王の遺言」
R.-J. Lilie「ビザンツ皇帝の遺言」
R. Hiestand「十字軍国家トリポリにおける相続法的決定」
P. Thorau「マムルーク朝のスルタン、カラーウーンの遺言」

閉会

G. Melville

欧米の研究大会・シンポジウムは大抵論集にすることを前提に開催されるので、最新の研究動向を(どんな人がどんなテーマを扱っているのかだけでも)知るために、ドイツ語圏のものだけでも、もう少しチェックしていくことにしたい。人と話してて、研究者の名前が出てきても全然知らなかったりするもので。