ピレネーのクマ祭り
出口雅敏*1(早大人間総合研究センター・助手)「ピレネーのクマ祭り:村に、クマを放つ」(第107回北大総合博物館セミナー / ICBC国際クマ儀礼委員会設立記念講演会)
- 日時:2005年10月7日(金) 15:30-17:00
- 会場:北海道大学総合博物館 1F 知の交流コーナー
フランス南西部・ピレネー山脈東端のいくつかの村では、毎年、カーニバル期間になるとクマ祭りが行われる.この祭りに登場するクマは、実は本物ではない.人間がクマの仮装をするのであり、「クマを装う」のである.なかでも、プラ=ド=モロ(Prats-de-Mollo)という村のクマ祭りは、その展開が演劇的なことで有名である.村を見下ろす丘に登場したクマは雄叫びを挙げるやいなや、そこから一気に村里に駆け下り、暴れ、人間に襲いかかる.クマの放たれた村は、しばし興奮の坩堝に陥る.だがやがて、白く仮装した者たちが現れる.彼らは伝統的に「理髪師(barbier)」と呼ばれ、クマを捕らえるためにやってくるのだ.何故「理髪師」なのだろう。物凄く気になる。ああ、聴きに行きたいが、北海道。遠いよ…。はやく活字になると良いなぁ。